今回は僕がリスペクトするミュージシャン紹介シリーズの第4弾です。

ご紹介するのは、Todd Rundgren(読みはトッド・ラングレン)さんです。

と言っても以前紹介した3人のミュージシャンと比較しても知名度は断然低いと思います。だけど、代表曲を聴いてみれば、「あっ!この曲知ってる!」となる人は多いはずです。

有能な作曲家でありミュージシャン、というだけでなく、エンジニアやプロデューサーとしても一流のなんでもこなせるマルチ・クリエイターです。

ざっくりとしたイメージで例えると、「アメリカの山下達郎さん」と言ったところでしょうか?二人とも、キャリアが長く、シンガーソングライターでありながら、スタジオレコーディングのときはほぼ全ての楽器を一人でこなし、オーバーダビングで一つの曲を作り上げる。そして、異常なほどのロン毛へのこだわり。と、この二人には共通点が多いです。

今回はそんなトッド・ラングレンさんのおすすめアルバムを紹介します。

それでは、行ってみましょう!

アルバム代表作紹介。

初期の頃に名盤が集中しています。といっても最初は”Nazz”という4人組のバンドで活動してアルバムも発表していたそうですが、実は僕はこれらの作品を未聴です。

知っているのはソロで活動を始めてから。

トッドさんはナッズ解散後、ニューヨークへ渡り、ミュージシャンではなくスタジオエンジニアとして、エンジニアとしてのスタジオレコーディング技術を学びます。

その経験がのちの音楽活動に大きな影響を与えました。またこの頃に、のちに有名になる多くのミュージシャンたちとの交流が始まります。このことも、トッドさんの音楽活動を左右することになりました。

つまりスタジオエンジニアの経験は、予想以上にトッドさんの成長を促したのです。

それではいつも通り、ざっと駆け足でご紹介します。

  • Runt(1971)
  • Runt.The Ballad Of Todd Rundgren(1971)

“Runt”(ラント)というタイトルのついたソロデビューとつづく2ndアルバムです。年内に立て続けに2作も発表されました。

ラントというのはバンド名らしいです。つまりこの2枚は厳密にいうとバンド名義の作品なんです。それでもほとんどトッドさんのソロとして扱われています。何しろ、それほどヒットしたわけでもなく、ツアーやライブも行わなかったみたいなので、バンドの実態をなしていません。スタジオのみで結成されたバンドみたいです。

まだ、トッドさんのオリジナル・サウンド完成前の実験作といった感じです。

1stの3曲目に収録された”We Gotta Get You A Woman”が名曲。必聴です。

また2ndには好きな曲が多いけど、一つ一つのインパクトが弱くて、”We Got~”のような名曲になりきれない惜しい作品ばかりですね。

つまりこの2作のクォリティがうまく融合すればいいと思うのですが。

  • Something/Anything?(1972)

その2作の融合を早くも成し遂げたのが、本作”Something/Anything?”です。大量な曲を収録した2枚組アルバムです。

こちらはアルバム内ジャケットで、自宅かレコーディングスタジオでアナログレコードを床いっぱいに並べてニクソン大統領みたいなポーズをしているトッドさんです。

ブルースのようなマニアックなジャンルに特化しているわけでもない、ザ・ギタリストといったテクニック重視でもない。普通のヒット曲やポップス好きの人という感じです。

好きな音楽を好きなように作りたいという観点から始まったんだろうけど、セルフレコーディングであり、自宅録音です。このアルバムで、この方法論が確立されました。

生演奏よりもレコードを通してリスナーに届く「音」にこだわった楽曲集。それでいて、安定して聴ける見事なメロディーラインの名曲をたくさん収録しています。

アレンジ的には「キラキラ」した音が特徴です。その後の作品にも一貫している特徴です。とにかくこのキラキラこそがトッドさんのサウンドの特徴というか代名詞みたいなものです。

1曲目、”I Saw The Light”は、おそらく聴いてみれば多くの人が「聴いたことある!」となると思います。

  • A Wizard,A True Star.(1973)

個人的な好みだけど、一枚のアルバムとしてのクォリティでいうならば、このアルバムが一番好きです。

ビートルズの名盤「アビー・ロード」あたりを相当意識してるな、という印象です。でも、これをほぼ一人で作ったわけだから、やはりすごい。

アナログ盤でのB面1曲目、”Sometimes I Don’t Know What To feel”(CDだと13曲目)と、ラストの”Just One Victory”が個人的に好きな名曲です。

  • Oops! Wrong Planet/Utopia(1977)
  • Adventures In Utopia(1980)

’74年以降、Utopiaというバンドを結成し、結構長い間Utopia名義とソロ名義のアルバムを同時並行にリリースしていきます。

この2枚はUtopia名義でのおすすめアルバムです。

“~Wrong Planet”には名曲”Love Is The Anser”が収録されています。

“Adventures~”にはヒット曲”Set Me Free”が収録されています。

正直ソロとバンド名義二つに分かれて活動する意味がよくわからないし、Utopiaにはあまり思い入れがありません。やはり自宅録音でのセルフプロデュースこそがこの人の真骨頂なのかな?

“Set Me Free”でメインヴォーカルをつとめているのは、バンドメンバーのカシム・サルトンさんだそうです。

  • The Ever Popular Tortured Artist Effect(1982)

こちらはソロ名義の「トッド・ラングレン」で’82年に発表されたアルバムです。

ポップス好きというソロになった初期の頃に原点回帰したようなアルバムで良作です。

特に4曲目の”There Goes Your Baybay”がヒット曲ではないけど好きな曲です。

いくつかの交流、プロデュースについて。

ソロデビューした時のアルバムタイトル”Runt”(ラント)はバンド名と書いたけど、もともと昔からのトッドさんのニックネームで、命名したのはPatii Smithさんだそうです。

パティ・スミスは女性シンガーでミュージシャンだけど、ニューヨークあたりで女性でありながらニューヨークパンクの先駆者として活動していました。

このニューヨークパンクというのはのちのロンドン発のパンクムーブメントの原型ではありますが、別物と考えたほうがよさそうです。

’78年にブルース・スプリングスティーンと共作した、”Because The Night”がヒットして、その後セールス的な成功を意識してか、旧友トッド・ラングレンに4thアルバムのプロデュースを依頼し、アルバム”Wave”を発表しました。

  • Wave Patti Smith Group(1979)

ちなみに「ラント」というのは、小さい豚、もしくは同じお腹から生まれた子の中で一番小さい子を指す言葉だそうです。チビや出来損ないという意味もあります。

このアルバムは名曲”Frederick”を収録しています。

  • 「虹の都へ」、「ベステンダンク」高野寛

日本人のミュージシャン、高野寛さんはデビュー前から相当なトッドさんのファンだったらしく、おそらくメジャーデビューしてから相当な熱量でトッドさんとの何らかの共演を望んでいたと思われます。

そして、シングル「虹の都へ」、「ベステンダンク」の2曲ををトッドさんによるプロデュースでリリース。見事にヒットし、現在でも高野さんの代表曲です。

僕が20代の頃、東京の大きなCDショップでたまたま手にしたライブハウスのチラシに高野さんとサエキケンゾウさんのトッド・ラングレンの曲を聴きながら二人で曲解説をするトーク座談会があると知って、新宿のライブハウスに行ってみたことがあります。

ライブハウスといっても、畳の座敷があるほとんど居酒屋で、お店の隅の一段高い座敷に二人が座って曲をかけながら話してました。

高野さんがレコーディングの際にトッドさん所有のアメリカ、ニューヨーク州はずれのウッドストックにあるスタジオに向かうと、そこは木造のバンガローみたいな建物だったそうです。

雨が降ると天井が雨漏りして大切なピアノの上に雨の雫が落ちていました。そのことをトッドさんに指摘すると、トッドさんは”Oh! No!”とアメリカンコメディみたいなリアクションをしてピアノの位置をずらしていたそうです。

まとめ。Summary.

というわけで、アルバム紹介だけでかなりのボリュームになってしまいました。

次回はおすすめ曲の紹介をしたいと思います。おそらく今回よりももっと、個人的好みに偏った内容になると思います。

また今後、トッドさんに関する、経歴を紹介する上で外せないエピソードもいくつかご紹介したいと思います。

ちなみにトッドさんはApple社が、Apple Ⅱを発表して以来のApple信者だそうです。

ここまで読んでくださって、ありがとうございました!

それでは、またすぐお会いしましょう!

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