前回の続きで、ポール・ウェラーさんの紹介シリーズ第2弾です。

今回はThe Style Councilの代表作である2ndアルバムを徹底解説してみたいと思います。

それでは、行ってみましょう!

最高傑作”Our Favorite Shop”発表。

ちょっと誤解がある見出しになってしまいましたが、前作”Cafe Bleu”とこの”Our Favourite Shop”こそがスタイル・カウンシルの作品の中でも最高傑作だと思います。本作は全英でNo. 1を獲得しました。

前作同様あらゆる黒人音楽(ブラック・コンテンポラリーなんて言葉は今も通じるのだろうか?)を網羅してまとまりがないアルバムだけど、コンセプトがあるとすれば「スタイリッシュ」というか「オシャレ」にってことになるのかな?

当時の洋楽ヒットチャートの状況を知れば、このアルバムの登場がどれだけ衝撃だったかがわかるはずです。

とにかく、商業ロック、ヘビメタ、商業ハードロック全盛でそういう音楽というかスタイルを好んでいる人たちからは、意図した通りすぎて笑っちゃうくらいに嫌われていました。

特に当時の日本では、バブル景気に合わせて男性ファッション雑誌が注目を集めて、世の中の高校生から大学生の男子がおしゃれに目覚め始めた頃だったので、この音楽は日本でも大いに受け入れられて、のちに渋谷系なんていうジャンルの誕生につながります。

当時の商業ロックやヘビメタ、ハードロックが反抗的で過激でかっこいい。逆にスタイル・カウンシルなんかはオシャレだから軟弱みたいな風潮がありました。実際には全く逆で、商業ロックこそが大企業の意図した通りの音楽性やファッションをやっていて、こういう音楽こそが革新的でアンチ・マーチャンダイズだったのです。実際、商業ロックの方が断然売れていました。

wikiによると1stの発表の頃来日して、厚生年金会館でライブしたことしか書いてないけど、確か、このアルバムの頃にも来日しているはず。今のフェスみたいなライブで、その他数組の当時人気があった洋楽ミュージシャン何組かと一緒に野外球場でのライブがあったはずなんだけど、記憶違いだろうか?

僕はチケットを取ろうとしたけど、申し込み殺到で取れませんでした。今みたいにネットで予約して後日当落結果発表という申し込み方ではなく、電話をかけて申し込み、繋がるまで電話をかけ続けなければなりませんでした。

そしてやっと繋がったと思ったら、チケットぴあの受付のお姉さんに全完売をあっさり告げられ、落胆という結果でした。

この時は野外にも関わらず悪天候で雨が降り、フェスのオープニングでポールさんが雨に濡れながら映画の同名ミュージカル映画の主題歌「雨に唄えば」を歌って、お客さんを盛り上げている音源をFMで聴いた覚えがあります。

ごめんなさい。音源だけなので「雨に濡れながら」かどうかはわかりませんね。僕の勝手な想像です。

  • Homebreakers

アルバム一曲目にしては地味なブルースバラード。最近までヴォーカルはポールさんだと思ってたけど、ライブで歌っているのはミック・タルボットさんです。おそらくアルバムで歌っているのもミックさんでしょう。ハモンドオルガンとこの渋いヴォーカルは中毒になります。70年代に人気のあった黒人ソウル・シンガーダニー・ハサウェイっぽい。ダニーさんほどソウルフルに歌えていないけど。

  • Come To Miklton Keynes

辛辣な社会批判の歌詞を、こういう甘いメロディにのせて子供向けヴォードヴィル風の甘いアレンジで歌うところは、反体制を超えて完全に世の中を小馬鹿にしてますね。でも、それこそがパンクなのかな?

  • Internationalists

前の曲の流れで来て、いきなりこのハードなギター曲。The Jamのファンが喜びそうです。確かにかっこいい!やはりポールさんの声質はこういう曲があっているんですね。映像はLive Aidでのパフォーマンス。

  • Boy Who Cried Wolf

シングル曲としても秀逸だと思う。いまいち評価されてないのはヒットしなかったからだと思っていたけど、調べてみたら、イギリスではシングルカットすらされていなかったらしい。どうりでマイナーな存在の曲です。日本のリスナー向けのリリースだったのだのでしょうか?のちに別の曲でこの二人は日本のマクセルのカセットテープのCMに出演するけど、その映像は完全にこのPVの世界観を真似たものでした。

  • A Man Of Great Promise

うっかりすると見過ごされてしまいそうなくらいの小曲だけど、僕がこのアルバムで一番好きな曲です。メロディ展開が素晴らしすぎる。名曲中の名曲だと思っています。

こちらは”A Man Of Great Promise”のライブバージョン。最近の2018年に行われたliveでの演奏。この曲はポールさん自身もお気に入りみたいで、そのほかにもたくさんのライブバージョンと映像が残されているようです。

  • The Lodgers

ポールさんとD.C.リーさんのデュエット曲です。曲調はアップテンポでとにかくサビ部のD.C.Leeの声がいいね。でもポールさん、無理して踊らなくていいよ。

こちらはアルバム収録バージョンです。その他のシングルとアルバムでのアレンジ違いは、シングルはホーンとストリングスを多用するけど、アルバムは色々と音で遊んでいるイメージです。この曲に限ってはアルバムバージョンが好きなので、ここにアップしました。

  • Walls Come Tumbling Down

この曲と続く”Shout To The Top”が彼らの代表曲です。ホーンとストリングスの大胆な導入でおしゃれな感じだけど、歌詞の内容はアジテーションソング。特にこの曲ではポールさんのヴォーカルがいい感じでシャウトしています。スタイルカウンシルのコンセプトなのかもしれないけど、このPVに象徴されるように、小さなカフェや劇場、スタジオで、少数のお客さんの前で曲披露するイメージです。

  • Shou To The Top

前曲と同様に彼らの代表曲だけど、日本ではこの曲が断然有名なのかな?特に渋谷系のミュージシャンのバイブルみたいになってますね。前曲と同じ系譜だけど、途中で入る即興的なアレンジとヴォーカルとコーラスの掛け合いはレイ・チャールズっぽくていいね。

  • Have You Ever Had It Blue

このアルバム収録の”With Everything To Lose”を基に当時のMTVで人気があったPV監督のジュリアン・テンプル初監督映画「ビギナーズ」のサントラとして作り直された曲。タイトルから歌詞、アレンジまで大胆に作り直しています。一時期ちゃんとした公式のPVがYoutubeにアップされてたけど、なぜか削除されていたのでこちらを。この音源はベストアルバムに収録されたロング・ヴァージョンですね。

この非公式のPVを作成したのは素人のファンの人だろうけど、こういった素人投稿の手作り動画と出会えるのもYoutubeの楽しみ方の一つです。簡単な写真のコラージュ動画だとしても、PVがない曲、PVがない時代の隠れた名曲と出会えるチャンスが待っています。

いかがだったでしょうか?前作”Cafe Bleu”とこの”Our Favorite Shop”はスタイル・カウンシルのキャリアの最高傑作だけでなく、ポップ・ロック史に名を刻む名盤です。ぜひ聴いてみてほしいですね。

とにかく、のちの日本の渋谷系だけでなく、世界的にもアシッドジャズなどの登場にも一役買っています。スタイル・カウンシルの活躍がなかったら、アシッドジャズはあれほど素直に受け入れられるのは難しかったと思います。

さて続きはまた次回で記事にしてみたいと思います。

それではここまで読んでくださって、ありがとうございました!

またすぐ、お会いしましょう!

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