Jaco Pastorius.ジャコ・パストリアスを紹介!”Holiday For Pans”,”Elegant People”,”I’m Best Electric Bass Player!”,「僕は世界一のベーシスト!」僕がリスペクトするミュージシャン紹介シリーズ9-⑥(’82~’87)

みなさん、こんにちは!

ジャコ・パストリアス特集の第6弾です。

正直に言うと楽曲紹介的には、これまでの記事でほぼ出尽くしました。

Weather Reportも脱退し、ソロ活動に本格的に取り組んでこれからという時に、精神的におかしくなっていき、最終的に悲劇的な「死」を迎えます。

ジャコパスの精神疾患はいろんな要因が語られているけど、要するに人気ミュージシャンにありがちな「トップに立ち続けることへのプレッシャーに押し潰された」ってことだろうか?

今回の記事でどこまで紹介できるかわからないけど、とりあえずジャコの死の真相を追うような内容になると思います。

それでは、行ってみましょう!

Twins1&2 Live in Japan 1982.Jaco Pastorius Big Band.

前回紹介した”Invitation”がWord Of Mouth BigBand来日時の’82年9月のライブを収録したもので、本来は日本のみリリースの2枚組”Twins”というアルバムでした。

リリースの経緯が複雑なのですが、最初は”Twins1″と”Twins2″の別リリース。その収録曲をセレクトし直し1枚にまとめて世界リリースしたのが”Invitation”です。

なので内容は重複しますが、ここでは”Invitation”に収録されなかった音源を紹介します。

アルバム収録曲いくつか紹介

8.Okonkole’ Y Torompa.

CD時代に入ってから2枚組は1CDに納まりました。

CDの曲順での8曲目。原曲はソロ1st”Jaco Pastorius”に収録。

フレンチホルンはオリジナルと同じピーター・ゴードン。

10.Elegant People.

前回”Invitation”を紹介したので、この”Twins”の紹介は省こうかとも思ったのですが、この”Elegant People”がすごく好きなので、紹介することにしました。

サスペンス映画のサントラみたいなスリリングなメインテーマ。そしてジャコのベース、ビッグバンドの効果的な盛り上げ、スチール・ドラムの活かし方、カッコよすぎる。

Amazonレビューより「スピード&パワー、どれをとっても圧倒的です」

作曲はウェイン・ショーター。

11.Twins.

アルバムタイトル曲。おそらく未発表新曲。

“Elegant People”と、この”Twins”を、なぜ”Invitation”に収録しなかったのか?

Holiday For Pans.Jaco Pastorius.(’93Release.)

いきなり’82年”Invitation”,”Twins”から’93年に飛んでいますが、こちら”Holiday For Pans”は制作が’81年ごろ。(”Word Of Mouth”と同じ頃)

諸事情あって正式リリースがされず、やっと’93年にリリースされました。

前作”Word Of Mouth”の売り上げが期待通り行かなかったのと、内容的にレコード会社の求めるものと違っていたため。

レコード会社はジャコとの契約を消化するために、”Holiday For Pans”の代わりに、本来日本の未リリースだった”Twins1&2″の中から曲をセレクトし直して1枚のアルバムに凝縮して”Invitation”をリリースしました。

その後ジャコパス本人が精神疾患から死へと向かう間に、本作の音源であるマスターテープは様々な人の手を渡ったそうです。

奇跡的にマスターテープが見つかり日本のレーベル「サウンドヒルズ」からリリースされたけれど、内容的にジャコパス本人以外のベースがかぶっているなどの疑惑もあり、公式にジャコパス作品としては認められていません。

興味のある方はどうぞ。

こちらAmazonでは、¥1,200

こちらは完全版。ご覧のようなお値段。

アルバム収録曲

1.Mysterious Mountain.

タイトルにある”Pans”と言うのは、スチールドラムのこと。

本作はオセロ・モリノウのスチールドラムを前面に押し出した内容。

2.Elegant People.

“Twins”で圧倒的なスピードとパワーを見せてくれた”Elegant People”の原曲はこれなんだと納得。

作曲も、このトラックでサックスを担当しているのもウェイン・ショーター。

同じWeather Reportのザビヌルとは不仲になったけど、ショーターとの関係は良好だったみたい。

またYoutubeのこの曲のコメント欄に「ジャコ・パストリアスの肖像」の著者、ビル・ミルコウスキーがコメントを寄せています。

(原文)

“That is very obviously and clearly not Jaco playing bass here. I happen to know this for a fact. The guy who dubbed in bass parts on this track confessed to me. But even if he hadn’t, any trained ear can tell that the bass parts on this track are too stiff, lacking the whole essence of the tumbao and melodic invention to be Jaco. This cat is just playing the notes, getting through the tune on the root…no imagination, no syncopation. Jaco couldn’t stay in one place for too long. He would never had played such rote lines. He was constantly creating and referencing his own shit from bar to bar. This is a static performance by someone who is copying some of Jaco’s cliches. It’s not really living and breathing in the moment as Jaco did on everything he played.”

(日本語訳)

『これは明らかに、ここでベースを弾いているJacoではありません。 私はたまたまこれを知っています。 このトラックでベースパートを吹き替えた男は私に告白した。 しかし、たとえ彼がそうしなかったとしても、訓練された耳は、このトラックの低音部が硬すぎて、ジャコであるためのタンバオとメロディーの発明の本質を完全に欠いていると言うことができます。 この猫はただ音を出しているだけで、ルートの曲を通り抜けています…想像力もシンコペーションもありません。 Jacoは1か所にあまり長く滞在できませんでした。 彼はそのような暗黒線を演奏したことはなかったでしょう。 彼は常にバーからバーへと自分のたわごとを作成し、参照していました。 これはJacoの決まり文句の一部をコピーしている人による静的なパフォーマンスです。 Jacoが彼が演奏したすべてのことをしたように、それは本当に生きていて、呼吸していません。』

要するにこの曲のベースパートはジャコパス本人ではないといっています。

ミルコウスキーは自伝の著者でありながらジャコパスの1熱狂的ファンにすぎず、ジャコがレコーディングしている時にスタジオに入ったことは一度もないと言われたり、自伝の内容もかなり私的な感情で書かれているから信用できないといった意見もあります。

この音源を信じるかどうかはご自分で判断してください。

3.Good Morning Annya.

こちらはジャコパスオリジナルの新曲。

今までにない明るく、リラックスした曲調。

4.She’s Leaving Home.

The Beatlesファンには嬉しいカバー曲。

耳馴染みのあるメロディーなので入りやすいと思う。

ほぼスチールドラムでメロディを奏でているけど、ベースが入っていない。

これで完成形なのか?

She’s Leaving Home.The Beatles.

The Beatlesのサージェント・ペパーズに収録されているオリジナルを一応載せておきます。

天才メロディメイカーであるポール・マッカートニーによる名曲。

5.Holiday For Pans.

こちらもベースが入っていない、アルバム表題曲。

スチールドラムメインの曲。

また、実写コマ送りでCDが部屋の中を動く動画も面白い。

&.Giant Steps.

JAZZサックスプレイヤーのジョン・コルトレーンの出世作”Giant Steps”をスティール・ドラムでカバー。

“Invitation”ではRezaと言う曲の間に挟むことによって完成した曲。

Giant Steps.John Coltrane.

当然オリジナルであるジョン・コルトレーンも聴いてもらいます。

「シーツ・オブ・サウンド」と呼ばれる超絶技巧のサックスを聴いてください。

7.City Of Angels.

タイトルだけだとニコラス・ケイジとメグ・ライアン主演の映画を思い出すけど、なんの関係もありません。

ジャコパス作曲の新曲で、ある意味このアルバムのハイライト。

8.Birth Of Island.

こちらもジャコパス作曲による新曲だけど、Youtubeに音源がなかった。

30分近い長尺なので、おそらくどの音楽配信にもないと思います。

もともと公式と認められていないので。

NightFood.Brian Melvin.(’86)

この作品はジャコの晩年にリリースされた作品。(死の1年前)

といっても”Jaco Pastorius”メインではなく、ブライアン・メルヴィンと言うドラマーの作品にジャコパスがベーシストとしてゲスト参加。

’90年代に再発されたCDを買った時に入っていたライナーノーツにはブライアンの方からジャコを招いたとか書いてあったけど、この頃のジャコは精神疾患からくる奇行が酷すぎて住所不定のホームレス状態。

あらゆるクラブに出入り禁止にされていた時期なので、ミュージシャンからの仕事の依頼どころか、自分から必死に売り込まないと仕事すらない時期だったので、怪しいもの。

また現在、この作品は廃盤状態らしい。

それでも好きな作品だし、結構良曲が入っています。

アルバム収録曲いくつか紹介

1.Ain’t Nothing But A Party.

1曲目がこれだからよかった。チープな当時流行の打ち込みリズムに乗ったディスコ曲だけど、ノリが良くていい。

またこのボロボロの時期でもジャコパスのベースはすごい。

8.The Warrior.

11:30もの超尺曲。ジャコよりもピアノを担当しているジョン・デイヴィスがこの曲の聴きどころ。

9.Continuum.

なぜかアルバムラストを締めるジャコパスの持ち曲であり名曲”Continuum”がここで聴けるとは。

晩年とは思えないくらいベースプレイは衰えていない。

Jaco Pastoriusの晩年と死へ至る経緯。(まとめに代えて)

この件に関しては詳しい経緯はwikiやビル・ミルコウスキー著「ジャコ・パストリアスの肖像」を参照してください。

とにかくWeather Report脱退(クビ?)の後自由になり、ソロとしてよりのびのびと独自の音楽活動を始めると思いきや、Weather脱退と同時に落ちぶれていったようにすら見えます。

原因はトップに立ち続けることへのプレッシャーに押しつぶされたと言うことで間違い無いと思います。

特に素晴らしいライブを披露した’82年の来日時の奇行は有名で、明らかに精神錯乱状態で、不安を和らげるためにコカインを接種すると言う悪循環に陥っていました。

周囲は見るに見かねて彼を精神病院へ送り込んだりもしました。

決定打となったのは今回紹介した本来ジャコの3rdアルバムとしてリリースされる予定だった”Holidy For Pans”がレコード会社から拒絶されたことだと思います。

確かにWeather での活躍、ソロ1,2作目の流れで見れば”Holiday~”は期待外れな感じもします。

ジャコのソロアルバムというよりも、スチール・ドラムプレイヤー、オセロ・モリノウのアルバムをジャコがプロデュースしたといった印象です。

ワーナーがジャコの契約を解消したのは、3rdが期待外れだったからだけではなく、2nd”Word Of Mouth”の制作に予想以上の多大な予算がかけられたこと、そして次第に目に余るほどの奇行の噂が酷すぎたからだと思います。

ライブで訪れたクラブでおとなしくしていることがほとんどなく、それらのクラブから出入り禁止となり失業状態。

’86年頃にはアパートを追い出されてホームレス生活となる。

そして’87年9月、サンタナのライブに無許可で飛び入りしようとして、警備員に取り押さえられ追い出され、翌日違うクラブに泥酔状態で入ろうとしたところ、警備員と乱闘になる。

乱闘の末ジャコはコンクリートに後頭部を強打、脳挫傷により意識不明の重体。

そのまま病院で、意識は回復せず心臓だけが動く植物状態に。

親族による話し合いの結果、人工呼吸器が外され’87年9月21日永眠。

35歳の若さでした。

またつい最近の2014年、ジャコ・パストリアスの生涯を描いたドキュメンタリー映画が公開されました。

未公開映像や、関係者のインタビューで構成されています。

映画”JACO”日本公開時ポスター。

映画”JACO”予告編。

2016年、日本公開。

ジャコの晩年を見るたびに思うのは、もともと並外れた才能と技術を持ち合わせていながら誰にも認められず、その度にベースのテクニックの強化にさらに励んでいたデビュー前との落差です。

ジャコの特集はもう少し続けるつもりです。

それではここまで読んでくださって、ありがとうございました!

またすぐ、お会いしましょう!

(Visited 17 times, 1 visits today)

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です