聴く時代から体感する時代へ。(音楽の楽しみ方の変遷。)

今回は1年前に偶然ネットニュースで見た、ある記事を読んで最近の音楽ビジネスのあり方や、最近の若い人の音楽との接し方が、僕の若い頃と違ってきているなと感じたので、その記事になった事件の解説とともに考えてみたいと思います。

記事の内容的に、以前書いた、「音楽との向き合い方」に通じるので、同じシリーズとして、このタイトルにしました。

先にまとめ的なことを述べれば、この段落のタイトル通り、「音楽は、聴く時代から体感する時代へ」と変わったのだということです。

ブルーノ・マーズ来日公演でのSNS大炎上事件。

これは2018年に来日公演をした、現在大人気のミュージシャン”Bruno Marz”さんのさいたまスーパーアリーナでのライブの時に起きた事件です。

会場のステージでブルーノさんが演奏中に最前列の席にいた二人の女性。この二人は名前は伏せますがファッション雑誌の専属モデルです。

この二人がしばらくの間ステージに背を向けて、スマホを高く掲げ、自撮りを続けていました。それはただの写真撮影ではなく、その場でインスタグラムにアップしていました。しかも写真ではなく動画だったとか。

やはり最前列なので目立ちます。ステージ上でパフォーマンスしていたブルーノさん本人の目に止まってしまいました。ブルーノさんは、二人に注意するつもりでステージ上から罵声を浴びせ、タオルを投げつけました。

ところが、英語なんてわからないこの二人、ブルーノさんから直接投げられたタオルを拾って怒られているのも知らず、喜んで画像をインスタにあげ、「タオルゲット!」とコメントしたためインスタグラムに抗議が殺到し、とうとう大炎上してしまったのです。

収集がつかなくなったため、そのインスタのアカウントはロックされたそうですが、その後も現在に至るまで本人たち含め所属事務所からの謝罪もなかったそうです。

ブルーノさんは特に「僕のライブ中はスマホを取り出さないように」といろんなインタビューなどで発言しているので、どんな新規ファンでも、ステージ中はスマホ厳禁なのは知っているそうですが、常識的にそんなことしちゃいけないってのはわかりそうなものですけどね。

この炎上騒動から見えた、いくつかの現代音楽事情。

ツッコミどころ満載の炎上騒動ですが、この事件から見えてくる重要だと思う点をいくつかリストアップしてみたいと思います。

  1. このモデル二人は全然ブルーノさんのファンじゃない。
  2. それなのに簡単に最前列のチケットが手に入る。
  3. 上演中に勝手に動画を撮影してはいけないというルールを知らない。
  4. 全然、ブルーノさんどころか、音楽に対するリスペクトがない。
  5. 怒ったブルーノさんが、二度と来日しなくなる恐れがある。
  6. 騒動後、一切の謝罪がない。

1に関しては、ブルーノさんが特にライブ中のスマホでの自撮りなどの行為を嫌う人だということを、この二人は知らなかったからです。ファンの方曰く、このことはどんな新規ファンでも知っているそうです。だからこの二人は新規ですらないようですね。おそらく、ブルーノさんが若い人たちの間で流行っていることだけは知っていて、ブルーノさんよりも、流行りに乗りたかっただけでしょう。

問題は2ですね。そんな新規ですらない二人が簡単に最前列のチケットを取れちゃうんです。こういう問題は昔からあったのですが、最近では、関係者席というのがあるそうです。関係者というのがどのくらいの範囲なのかはわかりません。でも、この二人は関係者席に通されるほどのVIPではないということです。それでも業界関係者なら簡単にコネチケが取れてしまう。それでも問題やトラブルを起こさなければ別に問題ないと思います。でも、この二人は、ブルーノさん本人に怒られ、SNSでたくさんのファンの怒りを買っています。

3に関しては、一回でも劇場に映画を観に行ったことがある人なら知っているはずです。映画を上映中にその作品をスマホやカメラなどで撮影するのは刑事罰です。映画上映前にこのことを注意するPRフィルムが流れるはず。ライブのステージも一緒だとわかるはずですが。でも、Youtubeなどにも違法アップロードなどがはびこっているし、一部黙認されていると言うのもあります。SNSに違法な動画を上げるのは、もっと野放し状態でしょう。これは一人一人のモラルに期待するしか今のところありません。

一番僕が問題だと思うのは4です。誰だって、ただで好きな音楽が手に入ったら嬉しいですが、それだと優れた音楽を提供してくれるミュージシャンたちの利益にならないのです。そうなると、ミュージシャンたちは活動そのものの規模を小さくして行くしかなくなり、結果的に優れた音楽が提供されなくなるのです。このことは、iTunes登場前の音楽違法ダウンロードが横行していた時代から今に至るまでずっと言われ続けていることです。そのことを知らなかっただけでなく、興味すらないと言うのなら、音楽ファンを名乗る資格はありません。ファンに向けて様々なライフスタイルを提案できる芸能人ならば、自分のオススメ音楽を紹介することもあるでしょう。しかし、その人が音楽に対するリスペクトがないならば、その人のオススメの音楽、ひいてはあらゆる情報になんて誰も耳を貸しません。

どうやら長くなってしまうみたいなので、5と6については次の段落とします。

ミュージシャン本人とファンの人たちに対する裏切りと侮辱。

5に関しては、今年(2019年)もブルーノさんは来日してくれました。この事態を一番恐れたのは当然日本にいるたくさんのブルーノさんのファンたちです。彼らのほとんどは予約が殺到してプラチナチケット化した昨年のライブの抽選に漏れ、最前列どころか会場にすら入れなかった人たちです。彼らの思いとしては、ぜひチケット当選した人たちとブルーノさんが素晴らしい時間を共有してほしいと言う願い。この騒動によって、もう来日しなくなるなんて残念で仕方がない。自分たちと違って、ただ流行りに乗りたかっただけの、新規ですらない人たちにぶち壊されてしまう行為に対する答えは大炎上したSNSです。

そして最近の若い人に顕著に見られる部分が6です。そう、ちゃんと謝らないと言うこと。今回の騒動の張本人であるモデルさんのように、下手に地位があって、周囲に守られている立場だと、軽く問題を起こすし、それでいて謝らないのです。こう言う傾向が随所に見られるようになりました。そして彼女たちを庇護していると思われる所属事務所なりの代表が謝罪すると言うだけでも違うと思うのですが、それすらないのです。

ちょっと内容的に長くなってしまったので、この事件から見える今の時代の音楽(ビジネス)のあり方と、昔の音楽のあり方の違い、そして、音楽との向き合い方、付き合い方の違いについては、次回出す記事(②−2)で述べたいと思います。

ですので、今回は「まとめ」はありません。

それでは、ここまで読んでくださってありがとうございました!

またすぐにお会いしましょう!

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